他郷阿部家

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ジェイムズ・E・ラッセルさん

発展途上も含めた世界の多くの国や主要都市では建築物、公共施設、私有地などの個人財産など全てのものが巨大化する傾向にあります。一昔前の資本主義には、共産や社会主義など、強い反対勢力がありました。その均衡が崩れた後、強いて云えば宗教が次の反対勢力に変わります。しかし、世界の情勢は資本主義の巨大化と強力化に拍車がかかり、やがて、個人の利権が強くなってきます。そうすると、コミュニティーの付き合いは著しく希薄になり、社会には貧富の差が広がります。世界は今、政治、経済、教育など社会生活全てが大きなものに統合されようとしています。その是非と危険性の客観的実証をすることが自分の研究だと考えています。石見銀山は、土地が生きていると思います。人や建物が生きています。モネは光を見て油絵を描きましたが、谷崎潤一郎は(日本文化には影がある。暗いところに意味がある)といっています。それが欧米と日本の空間に対する意識や感覚の相違です。誰もが知っているような歴史的不動産に本当の価値があるとは言えません。日常の生活は常に変化していて、その時々の解釈や、その人の考え、環境や状況の変化でその物の価値も変化します。

ジェイムズさんは、アメリカの金融関係の会社で長年勤めた金融マンでしたが、50歳を過ぎて早期退職し、イギリスのロンドン大学大学院の(東洋アフリカ研究所、文化人類学部)で「人口の推移と資本主義社会の変化に関する因果関係」をテーマに博士号修得の研究に入りました。
 ロンドン大学大学院の東洋アフリカ研究所は、イギリスの植民地政策の下、植民地の国語や、文化、習慣、思想などを詳しく勉強する事による平和統治を目的として1916年に創立されました。現在では、当初の目的を更に掘り下げ、時代のニーズに即して様々な人的・学術的交流や共同研究などに取り組んでいます。
 彼はこれまで数回の来日滞在をくり返しながら、石見銀山をベースに日本の文化、風土、歴史などのデータを収集してきました。
 資料収集で重要な事は、すでにある歴史的資料を解読するのではなく、自分が主体的に土地や人々の環境や生活にかかわり、自分の目で確かめ、自分の耳で聞き、自分の言葉で表現出来るまでになる事です。日本語の持つ言葉の意味や、日本人の考えを多面的にとらえ、自らの言葉に置き換えて解説出来るように研究を進めています。